鎌倉時代、1200年代初め。貧しい農家()に生まれ()ながらも賢く利発な平次郎は、ある日、親鸞聖人と出会い、多くを学び成長していく。やがて京に戻った親鸞聖人を追って故郷を離れた平次郎は、「唯円」という名を授かり、仲間たちとともに親鸞聖人のもとで仏教を学()ぶ。そんな中()、かつての友人が苦境に立たされていると知った唯円は、なにも出()来ない自分へ()の無()力感に()とらわれ苦悩する。なぜ、善人よりも悪人()が()救われるのか? 人は、なぜ生きるのか?() 「すべての人間が悪人であり、救われるために条件は()ない」という親鸞聖人の言葉の真意が、解き明かさ()れていく――。